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photo by  近藤泰岳

通り土間のある家

竣 工 : 2013.04

所在地 : 愛知県北名古屋市

物 件 : 古民家再生

構 造 : 木造伝統工法
面 積 : 227.63㎡(改修部分)

築おおよそ100年程度。大正元年に建てられたと言われる古民家。

 

昭和の時代、思いつきの改修や増築を何度も繰り返し、お世辞にも100年の歴史がある「古き良きたたずまい」とは言える姿ではありませんでした。昔ながらの法事や隣り組集会など、行事の度に沢山の人が集まったのも昔の話し。生活様式は時代の流れとともに劇的に変化してしまい、ただ広いだけの空間は捨てられずに積み重なった懐かしさの感じる段ボールが山積みの物置状態。

 

この際、全部解体して建て直すという意見も少なからずありましたが、すべてを捨てて新しくするのではなく、「人が集まる空間として再構築」して、昔の慣習を残していきたいと言う想いを描き、計画をスタートさせました。

 

今回のリノベーションでは、

1)安易に増改築・改修された部分の見直し

2)昔のたたずまいや風情ある空間構成を取り戻す

3)全面的な改修によって現在の生活スタイルに合った新しい機能性や発想を取り込む

・・・という3つの目標を掲げ、古くなった住まいへの新しい価値観の創造を目指しています。

 

1階は、共用的な用途である、リビングやダイニング、キッチン、仏間を配置し、人の出入りについて意識をしています。2階では、もともと養蚕業のための広い空間であったため、壁のない大きなボリュームをそのままプライベート空間として開放的に使用しています。上下階で役割を分け、且つ通り土間で外部動線を引き込むことを意識しています。

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