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2018.03
留学時のご縁から、フランス北地区ノールパドカレー地方の日本人学校で開催される学校祭の文化交流事業におきまして、日本の住宅建築についての紹介をするため、プレゼンテーションブースを出展いたしました。
展示内容は、日本の住宅に関する伝統的な様式を紹介した「旧猪子家活用プロジェクト」と、大正元年に建てられた築100年の古民家を現代の様式へとリノベーションした「通り土間の家」に関するものです。「旧猪子家」は2017年のウッドデザイン賞や第13回日本漆喰協会作品賞の受賞、また国の登録有形文化財にも指定され、「通り土間の家」は2013年の愛知県わが家のリフォームコンクールにおいて愛知県知事賞を受賞しています。
その他、大工さんにもご協力いただき、伝統的な木造建築で使用される木組み(継手や接合部)のモックアップを展示しました。
▲ 設計で使用した実施設計図やコンペで提出した資料、また普段参考としている書籍の展示をしました。そして、畳屋さんにも畳表を譲っていただき、熊本県産の高級品から最近流行りであるカラー畳用、そしてアパートなどに使用する汎用品まで、個人的にもとても興味深いマニアックなラインナップを揃えました。
▲ とりわけ来場者のほとんどの方が興味を示していたものは、やはり木組みのモックアップ。日本よりDIYの文化が盛んであるため、一般の方でも日曜大工はお手のもの。この木組みを手に取り、日本の大工技術を高さを真剣に確認していました。そして学校祭に参加していた子どもたちの中にもこのような木組みが好きな子がおり「外しては組み立てて、組み立てては外して」・・ということを大人に混じって真剣に遊んでいました。
▲ フランス人設計者たちの多くは、日本の建築様式や日本人建築家の方々の考え方をリスペクトしています。彼らの仕事場の本棚には、海外の建築書籍と並んで「日本の伝統的な建築様式」や「日本人建築家」の書籍が必ず置いてあります。私たちが誇る「和の建築様式」は、海を渡った先の彼らも同じ様にいつも意識をしながら設計に取り組んでいます。(当時の研修先だったボスとの談笑)
▲ 今回の展示物の日仏英の説明のためリーフレット作成しましたが、単なるチラシでは面白みに欠けたため「折り紙建築」のアイデアを組み合わせ、表面に折れ線を記載しました。来場者からは裏面に記載された木組みの説明だけでなく、”持ち帰って大人から子供まで折り紙として楽しめる”、とかなり講評でした。ただ、試し折りしていた現地の方々は結構不器用な方が多かったですね。苦笑
▲ 他には書道や盆栽、写真展、水彩画、折り紙、着物の試着、バザーなど。また将棋や囲碁などや抽選クジも体験できるコーナーがあります。食品も扱っており、日本の食品やお惣菜も購入できるる様になっています。この日を楽しみにしている方はとても多く、遠くは隣国のベルギーからも足を運び、延べ1500名以上の方が来場される大きなイベントとなっています。
▲ 英語やフランス語の語学レベルはさておき、海外で自分のプロジェクトについて専門用語を用いて日本語以外で説明するのはなかなか難しいことです。しかし、どんな語学力でも真剣に接すればそれだけで相手も真剣に受け答えしてくれる。「目を見て話す」これは単純なことですが、中途半端な想いではできません。ハードルは高かったですが、学び多きひと時でした。