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photo by 朴の木写真室
J-S
竣 工 : 2022.11
所在地 : 愛知県北名古屋市
物 件 : 住居からのコンバージョン
構 造 : 木造平屋建て
面 積 : 54.31㎡
名古屋鉄道犬山線の西春駅脇にある古くて小さな住居を事務所空間へコンバージョンとした案件。
工事前の既存建物は戦前からあったと言われており、既に80年は経っている木造の建物でした。古い間取りは住居として使用されており、六帖二間の和室に、玄関スペース、大きめの倉庫を兼ね備え、建物奥の僅かな空間に水廻りを増設してありました。
当初の要望には「新しい住居空間へリノベーションしたい」という話しもありましたが、電車の線路脇という立地ということもあり、音や振動の問題から事務所スペースへとする内容で確定。老朽化の酷かった増築部分(台所や風呂)は全て撤去(減築)した上で、最低減のコストで工事を計画しました。
前面道路は北に位置する神社から延びる一本道。昔からの商店街の名残を僅かに残す道でもあります。外観は以前のトタン板のイメージを踏襲することで、これまでの地域との一体感を残し、また道路際の僅かなスペースへも植栽を植えることで、以前のバラック的な印象とは違い、爽やさ・優しさを新たに加えました。今回のコンバージョンが少しでも地域に明るい雰囲気を創り出すことを願います。
室内の仕様は、コロナ禍や物価高騰などの影響もあり、現在の一般的な事務所の仕様では敢えて進めず、建築物として成り立たせるために必要な最低限の材料で構成。空間自体は、小屋組がトラス構造となっているため、柱が無く、広がりのあるボリュームが確保できることから、今後のこの場所の展開を見据え、将来的に他の用途でも上手く使えるよう、間仕切り壁の無い空間となっています。
令和の時代でも戦前に造られた素朴な構造、またトラス構造に使用されている金物の経年劣化を垣間見れるのは、この場を事務所として賃借している弊所にとっても、かなり有意義な空間です。
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